今回の小唄カラオケ徒然草は、滝の白糸を題材にした小唄2題です。
あらすじ
女水芸人「瀧の白糸(本名:水島友)」は旅座仲間の南京出刃打(なんきんでばうち)の寅吉一座とことごとく対立していた。危機を救ってくれたのが高岡で乗合馬車の御者として働く村越欣弥だった。そのことを忘れられない白糸は、ある夜、金沢を流れる浅野川に架かる卯辰橋(原作では天神橋)で欣弥と再会した。欣弥が金のために学問を断念したことを知った白糸は、自分が仕送りをすることを約束し、欣弥を支援する。欣弥への仕送りはしばらく続くが、人気の低迷とともにそれもままならなくなり、また芸人仲間の若い連れを駆け落ちさせるなどして南京出刃打の恨みを買う。白糸は一座のために高利貸しの岩淵から金を借りたが、300円を持って帰るときに南京にそれを強奪される。岩淵と南京がグルであることを責めようと白糸が岩淵を訪れたところ、誤って岩淵を刺し殺してしまう。白糸は勉学に励む欣弥の元を訪れるがあえなく逮捕。検事は学業を終えて初めて検事席に立つ欣弥であった。拘置所を訪れる欣弥に白糸は正直に裁いて欲しいと懇願し、法廷で切々と真実の大切さを説く欣弥の言葉に白糸は凶行を自白し、舌を噛んで自殺する。その後を追うように欣弥もピストルで己が命を絶ったのであった。
お手本 小唄「楽屋をぬけて」唄・春日とよ栄芝
カラオケ 小唄「楽屋をぬけて 加工 春日豊芝洲
【歌詞】
楽屋を抜けて橋の上 肌にひやつく縮緬浴衣
扇使いも水芸の 「は お目通り」
笑顔で隠す今宵の別れ 浮世の瀬々を啼き渡る
あの夜烏も旅の空 月に更けゆく遠あかり
お手本 小唄「水芸に」唄・春日とよ福美
水芸に 寄辺渚の捨小舟 いとしき人に便りさえ
心任せぬ淋しさを 雁鳴き連れる秋の空
月を眺めて独り言。
(新暦仲秋九月・昭和十五年作)
カラオケ 小唄「水芸に」 加工 春日豊芝洲
新派で有名な「滝の白糸」ですが、無声映画の「滝の白糸」が見つかりましたのでご覧ください、
1933年版 滝の白糸 サイレント映画
瀧の白糸 | |
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監督 | 溝口健二 |
脚本 | 東坊城恭長他 |
原作 | 泉鏡花 |
出演者 | 入江たか子 岡田時彦 菅井一郎 村田宏寿 浦辺粂子 |
撮影 | 三木茂 |
製作会社 | 入江プロ |
配給 | 新興キネマ |
公開 | 1933年 |
上映時間 | 88分 |
溝口健二監督作品。サイレント映画。88分。5つプリントが現存するが、ラストシーンが欠落したものや、ラストシーンを含むものの欠落や傷が多いものなど、不完全なプリントしか残されていない[3]。このため、フィルムセンターにより欠落部分を補い、ラストシーンを修復したデジタルリマスター版が作成されている[4][5]。このような昔の無声映画に現代の作曲家が新たに音楽を付ける試みは、ここ十数年間[いつ?]毎年ルーヴル美術館で行われているが、日本映画としては初の例である。
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