小唄組曲 源氏物語
科学技術庁ホールで弾いた
『小唄源氏物語』完全版
唄 春日とよ栄芝
ナレーション 団十郎さんは、テープでした
末摘花(光源氏と、呼ばれたる)
光源氏と、呼ばれたる
男の性悪も、そのまごころに、ほだされて
末摘花との。きぬぎねの、別れを惜しむ。折からや
雪の気配(けわい)の隙間風
ハクション 誰やら
噂を、するそうな
末摘花(ほととぎす)
ほととぎす、また、行き過ごし 輿の鈴
あいたさは、心もやくるばかりなれど
醜くき我を、知るゆえに、御見の後も気づかわる
あぁもう、いっそ、待つこころのみ
楽しまばや
朧月夜
命短く、生きよかな
さかまく恋に、死なんかな
この世の幸と、羨(うや)まわれ
女の命、封じ込む
一天万乗(いってんばんじょう)后の座
そんなもの どうでも、いいじゃえ
空蝉
人妻のみの、もとよりその気でいるなれど
あまりに老いし、わがつまの、弱き腕(かいな)を
なんとしょう
悪魔の、訪(おと)ない、こばみつつ、
来(こ)ぬ日はさびし
われは、 あだつま
花散里
分別を褒められて、さみしさよ
われとて、女のひとり、意見ばっかり
してらりょうか
夕顔
寄りゃれ、お寄りゃれ、夕風が
素襖(すおう)の袖の紫に
そっとからんで、ひきとめた
間垣に咲いた、つる草の
花白々と、ふくる夜や
そらたきものの さゆらぎに
光、源氏の 君かとも
言わず語らぬ花ごころ、
そのはかなさよ
夕顔のやど
三つの車(六畳御息所1)
三つの車に法(のり)の道、かたくのかどや、いでぬらん
そぉら出た、生霊なんぞは、おお怖や
身の、浮きに人の恨みは、なんのその
私の思いは怖いぞえ と なぞと御息所(みやすどころ)は
おつうすまして、お能がかりで、おっしゃいましたとさ
のうまくさんまんだ、ばさらんだでやんれ 身を焦がしたとさ
りんきと浮気はつみなもの
あさましと(六畳御息所2)
あさましと、知れぬも、きえぬ、心の焔(ほむら)
生霊の身と、なりはつる、我が輪廻こそ
うらめしや
つき遅き夜の、さがの道、今宵も泣いて、戻りくる
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———————— 完 ——————————-
カラオケ
三つの車(六畳御息所)
末摘花(光源氏と、呼ばれたる)
末摘花(ほととぎす)
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