小唄徒然草 正月版 春日とよの紫綬褒章の受章(昭和35・11) と 財団法人春日会の結成

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春日とよの紫綬褒章の受章(昭和35・11)

昭和三十五年十一月三日の文化の日に、春日とよ(八十歳)に紫綬 褒章が贈られた。
邦楽関係の受章者は邦舞の藤蔭静枝、一中節の都 一ひろ(篠原治)で、とよは、小唄人として始めての栄冠であった。
とよは、名古屋・大阪・京都と各地で八十の祝を催す予定を、前日、名古屋より帰京し、とよ晴・とよ喜の付添いで、
文部大臣室に参列した。 紫綬褒章の受章の賞状には 『早くから小唄の研究に専念し、よくその技を磨いて新流派を創始し、以来、創作と演奏に新境地を開拓する等、
よく斯道の振興に寄与し、事蹟まことに著明である。よって、褒章条例により、紫綬褒章を賜わって表彰せられた。』 とあり、内閣総理大臣池田勇人とあった。
細川隆元の談によると、『文相、荒木万寿夫は、大の小唄愛好者で、また小唄酣春会の役員でもある。今回の授章に当っては、
荒木文部大臣の配慮は大きなものがあったと思う。』と語っているが、
今回の春日家元の授章は、 小唄が邦楽諸流と肩を並べて芸術としての認識を深めたことで、小唄界にとって、誠に喜ばしい事であった。

財団法人春日会の結成

とよは、かねて自己の全財産を供出して『財団法人春日会』を結成することを考えていたが、昭和三十六年八月五日、文部省より正式に認可を得て、
ここに小唄界初の、財団法人が誕生し、下記役員が就任した。

会長   春日とよ

常任理事、春日とよ榮とよ晴、とよ喜

理事   春日とよ艶、とよ福園、とよ宏、
とよ君、とよ力、とよ天佐、とよ稲、豊之、
とよ福美、初代とよ津満、とよ年、とよ五 (以上東京)
とよ芳(札幌)、とよ常(小樽)、とよ玉(大阪)、とよ峰(大阪)、
とよ延(京都)、とよかよ(名古屋) 、とよ乃(浜松)

監事   とよ五千代、とよ攝(東京)

相談役  春日とよ福(東京)、

事務所を台東区上野桜木町二十二に置き、事務局に矢野賢治が当り、会長並びに常任理事の命をうけて、春日会の運営に当ることとなった。

正月特別視聴 正月の小唄

元日や   唄・春日とよ  糸・春日とよ晴

松竹に   唄・春日とよ  糸・春日とよ晴 替手 とよ五

松竹に   唄・春日とよ栄芝  糸・春日とよ喜扇  替手 春日豊芝洲

 

 

 

 

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