新内小唄「蘭蝶」

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今回の小唄徒然草の配信は、春日では、あまり唄われていないのですが
他流の小唄会では、男性の方がよく歌われている 新内小唄「蘭蝶」の
背景を説明したいと思います。

新内節。本名題「若木仇名草(わかきのあだなぐさ)」。初世鶴賀若狭掾(つるがわかさのじょう)作曲。安永年間(1772~1781)成立。太鼓持ち市川屋蘭蝶(当時の歌舞伎役者、団十郎の声帯模写を得意としていた)が新吉原の遊女此糸このいとと、なじみ、女房お宮との板ばさみになって、此糸と心中する筋。新内節の代表曲。此糸蘭蝶。

新内浄瑠璃の「蘭蝶」は、新内節の曲名。本名題(ほんなだい)『若木仇名草(わかきのあだなぐさ)』。長編の端物浄瑠璃(はものじょうるり)で、『明烏(あけがらす)』『尾上伊太八(おのえいだはち)』とともに新内の代表曲。初世鶴賀若狭掾(つるがわかさのじょう)(1717―86)の晩年の作。芸人市川屋蘭蝶と深い仲の、新吉原(よしわら)の榊屋此糸(さかきやこのいと)とが痴話喧嘩(げんか)のところへ、蘭蝶の女房お宮が、此糸のもとを訪れ、別の一間で会って、蘭蝶と縁を切ってほしいと頼み込む。その真情にほだされた此糸は願いを聞き入れ、縁切りを約してお宮を帰すが、
この会話を始終立ち聞く蘭蝶は、お宮の真心を納得しながらも此糸と情死する。

新内といえば『蘭蝶』、『蘭蝶』といえば「縁でこそあれ……」というくらい、なじまれている縁切り場のお宮のクドキは、
事実新内の生命であるクドキ地の典型的なもので、手ほどきにもかならず用いられる一節である
★新内浄瑠璃 【蘭蝶 お宮のクドキの場】 縁でこそあれ

この唄っている富士松鶴千代さんは、栄芝師匠の大親友で、私も知っていますが
庶民的で気さくな富士松鶴千代さん、下町の世話焼きのおばさんみたいなのに
かたや、邦楽家で、格式を重んじて、出演する舞台やマスコミは、上品な番組を吟味して出演しているのに、なんで、仲がいいのだろう?不思議に思いますが、二人で話しているところを聞いていると、二人とも、下町の世話好きの、良いおばさんになっていました、地はふたりとも同じなのかもネ!

15年位前、芝丸さんが、この小唄を三越劇場の栄芝会で唄いたいと、栄芝師匠にお願いしたのですが、
栄芝師匠は、新内小唄あまり好きではないので、教えたくないとのことで、私が持っていた新内小唄「蘭蝶」の音源から採譜して、唄・芝丸 本手・春日とよ喜扇 上調子・春日豊芝洲3人で研究して、栄芝会で発表したところ、栄芝師匠へ、お弟子さん4名くらいから、小唄「蘭蝶」を教えてほしいと栄芝師匠にリクエストがあったようです。後日「あんた、こまっちゃったヨ」と笑って言ってました

その音源がの一つが 新内の富士松派の人が録音したレコードの小唄「蘭蝶」

二つ目が 小唄本木派の初代家、本木寿以が唄った小唄「蘭蝶」で

我々の研究の結果、小唄で「蘭蝶」唄うときは、小唄らしい唄い方の、唄は、本木 寿以の蘭蝶を下敷きに、三味線は富士松の三味線を小唄風の手付にして下記のような踊り地で使いました。芝洲流は、このようにお教えして、踊り地に使ってもらっています

 

譜面が欲しい人は、ご一報を、さしあげますよ

 

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